2005年11月19日

この胸いっぱいの愛を

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タイトル:この胸いっぱいの愛を
製作  :2005 日本
監督  :塩田明彦
出演  :伊藤英明、ミムラ、勝地涼、富岡涼、宮藤官九郎

「黄泉がえり」と一緒のスタッフであるから「この胸いっぱいの愛を」が
「黄泉がえり」に似るのはしょうがないのか、それとも続きとして捉えるべきなのか。
観終えて思うのはこんな事なのだが、いずれにしても佳作である事に変わりはない。

主人公鈴谷(伊藤英明)は子供の頃に訳あって住んでいた福岡県門司に行くのだが
そこで過去に戻ってしまい、子供の頃の自分や憧れの女性である和美(ミムラ)に会うことになる。和美は音大を主席で卒業したバイオリニストなのだが余命いくばくもない。
30歳と10歳の鈴谷、和美を中心に飛行機に同乗していた布川(勝地涼)、
臼井(宮藤官九郎)、角田(倍賞千恵子)のエピソードを交え
過去に思いを残した者のそれぞれを描いている。
平凡だが巧いので観れる前半。伊藤英明はイマイチだがミムラは良い。
目を見張るのはミムラの父親役の愛川欽也だ。
なんだこの親父は。
なるほど・ザ・ワールドのイメージしかなかったが、
その不器用な存在感に心打たれたのだ。そして私は泣いた。
いや、泣くといった能動的な行為ではなくただ涙がこぼれたと言う方が的確だろう。
愛川は堅いキャストに幅をもたらしている。
良いよキンキン。
音楽は千住明。それはほんとどうでもいいが、
劇中に鈴谷が和美との教会での結婚式を妄想するシーンがある。
ヴァージンロードを二人で歩く中、小編成のオーケストラが演奏している。
二人は壇上に着くとヴァイオリンを弾くのだ。
このシーンはとても良かった。何が良いかというと、
二人で演奏することによってそれぞれの旋律を鳴らすことによって
一つの曲を生み出すという行為である二重奏になるということが、
それが鈴谷がそれまでの頼りない存在からから自律した存在へなろうとしている、
そして和美とのハーモニーを奏でようとしているの心情と重なったのだ。
だから心情の反映があまり見えなかった和美が演奏会で唐突に演奏するという見せ場に対して、
それほどの価値を見出せなかった。
もうちょっと音楽と成長と意志を絡めてくれたら、ぼかぁ満足だったなぁ。
(文化遺産)
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posted by つるっと温泉卵 at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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