2005年08月30日

ランド・オブ・ザ・デッド

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タイトル:Land of the Dead
製作  :2005 Canada / France / USA
監督  :George A. Romero
出演  :Simon Baker、John Leguizamo、Dennis Hopper、
      Asia Argento、Robert Joy、Eugene Clark

冒頭、花火が上がる。ゾンビがそれに見とれてる間、人間たちがせっせと仕事をするために花火が上がる。その花火を見て、喜ぶ人間はいない。彼らは生きるために、花火を上げる。ゾンビがそれに見とれているのは、きれいとか素敵だとか思う感情によるものなのかどうかは分からないが、とりあえず気になっていることは確かなようだ。
今作のゾンビはロメロのゾンビ三部作に見られない知性を持ったゾンビが登場する。「死霊のえじき」においてはバブという知性のかけらを持ったゾンビは登場するが、それはあくまでかけらであって、銃の引き金を引き、かすかな感情らしきものを表すだけだった。今作のゾンビとバブの大きな違いは、ゾンビがゾンビたちを組織化しようとする。その姿はゾンビらしからぬものである。

ゾンビは偉い。なぜ偉いかと言うと、ゾンビには人間を人種や階級や出で立ちで判断することなく、ムシャムシャと喰うのみである。ゾンビは主義や主張で動くことはなく、ただ人間を肉の塊としてゆっくりと追いかける。もし、戦争がなくなり平和な時代が訪れるとしたら、それは人間が全員ゾンビになるときではないかと、夢想してしまう。
飼いならされた状況を打破するのは、人間ではなくゾンビであったという皮肉。人間はただ逃げるのみであった事実。秩序から無秩序へ。思えば、人間はいつも秩序を構築しようとする。それを破壊するのはゾンビ。ゾンビが主義主張なく、ただ目の前にあるものに喰いつくだけの存在だとしたら、それは無秩序な平和に近づいていることなんではないか。
ゾンビがゾンビを組織化したらどうなるか。ゾンビが感情と知性を持ったらどうなるか。私は人間と変わらないじゃないですか、と思ってしまう。ゾンビから人間へ、人間からゾンビへ。
終盤、花火が上がる。それは、それまでのゾンビ三部作の人間とゾンビの関係が崩れてきた「ランド・オブ・ザ・デッド」では描かれず終わった次の世界を祝うものであるのだろうか。はて。

(文化遺産)
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posted by つるっと温泉卵 at 19:08| Comment(0) | TrackBack(4) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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