2005年08月20日

ブランク・ジェネレーション

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タイトル:Blank Generation
製作  :1980 West Germany / USA
監督  :Ulli Lommel
出演  :Carole Bouquet、Richard Hell、Ulli Lommel
      Suzanna Love、Howard Grant


顔。良い顔であるべきだと思う。良い顔とは顔を思い浮かべることが可能な人のことで、よく会っていても、あんまり顔を思い浮かべられることができない人っていうのは、顔が良くない。顔がよくないと言うと過激なので、顔が定まっていない、と言いいましょうか。だから、10代とか若い人の顔は定まっていないから、いやぁぁいい顔だなぁなんて思うことはない。でも、その不安定な感じがまた良いのだ。で、リチャード・ヘルである。

まず、リチャード・ヘルはかっこいい。そのリチャード・ヘルが主演しているこの映画もかっこいい。しかし、おもしろいことはない。でも、いい。そんなことは関係ない。内田裕也もまたかっこいい。リチャード・ヘルと内田裕也。特に関わりがあると思えないが映画を観ている最中この2人がだぶってしまう。「嗚呼!おんなたち 猥歌」での内田裕也。落ちぶれたロッカーを演じている。内田裕也はその当時で40歳を超えているのだが、その立ち姿はとても熟れた切ない末路を感じさせる。一方のリチャード・ヘルは30歳前後にしては幼さを感じさせる。顔は少年のようにも大人のようにも見える。顔が定まっていない。情緒も不安定だ。だがそれが逆に脆さの魅力も感じさせる。ブランク・ジェネレーション。空白の世代≠ニ叫ぶリチャード・ヘルはその埋めることができない感覚を歌うが故に脆い。内田裕也。自ら率先して日本の音楽と欧米の音楽の溝を縮めようとする。あらかじめ失われたものを埋めようとした。しかし、挫折する。
 ロック、人間との関係、を扱うこの二つ映画は、内田裕也の方が豊穣な演技をみせてくれる。ジェネレーションの問題であるのか、それとも国の問題であるのかは分からないが、これは内田裕也の顔の方が良いという事か。内田裕也の顔はどんな事があっても揺るがない。この安定感は尋常ではないと思う。
劇中、アンディ・ウォーホールが本人役で出てくる。彼の顔から何も見出せない。ブラックホールのような顔だ。この映画においてウォーホールが出てくるほんの短い瞬間が、この映画の物語のアクセントであるとともに、そのウォーホールという実在の人物の顔が映るだけで、組み立てられた物語が一気に吸い込まれてしまった。ただ、それだけをあらためて確認させられた映画だった気がする。

(文化遺産)
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posted by つるっと温泉卵 at 03:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ネットでヘルとかを監督すればよかった?


Posted by BlogPetのリンリン at 2005年08月20日 19:46
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