2005年08月19日

濡れた赫い糸

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タイトル:濡れた赫い糸
製作  :2005
監督  :望月六郎
出演  :北村一輝、高岡早紀、吉井怜、奥田瑛二


 糸がどこに繋がっているのかは分からないのだが、なにやら知らぬ間に自分の立ち位置というのが誰かによってずらされている事はままある。そのようなズレていく感覚を人間関係の糸に引きずられていると認識すると世の中なかなか面白く思えてくる。糸が勝手に結ばれたり、切れてしまったり、古くなって途絶えてしまったり、距離が伸びきってしまったり。まあどうであれ、何かしらの網状な関係というものを持ちつつ社会で生きている我々、という存在には大方賛成するだろう。

 この映画の主人公である茂は、2人の女性の糸に引張られてアッチコッチへと落ち着かない。自ら腰を落ち着けようとしてもまた引張られる。しかし、茂は幸せそうな顔はしている。だから、良いなぁ、と思ってしまう。奥田瑛二演じる中沢は三人の娼婦と暮らしているこれまた良いなぁ。でも、この良いなぁは女にモテて良いなぁというのとは少し違う。傍から見ると彼らは結構ヘビーな状況でもある。しかし、良い。何が良いというと顔である。顔から優柔不断である優しさが見て取れる。だから、良いなぁと思うのである。
 それで映画が面白いかといえばそういう訳でもない。何か緊張感がある場面でもどこか抜けている。だからメリハリがない。その上、北村一輝、高岡早紀、吉井怜、奥田瑛二、そして望月六郎となると大胆さと繊細さで映画と観客をつなぐ糸をピンッと張ってくれるかと思ったら、意外と緩いので結局ナンなのよと問い掛けたい気持ちになる。これは期待しすぎてるかもと自嘲するが期待してしまうものは仕方ない。北村さんの鋭い眼光はもっと輝いていて欲しかったし、高岡、吉井にはそれこそ脱げ!脱げ!(いろんな意味でね)と思うでしょう。奥田さんは割とよかったように思えるが、孤軍奮闘気味。私とこの映画は濡れつつ、赫い糸で結ばれるにはどちらも力不足でしたわ。

(文化遺産)
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posted by つるっと温泉卵 at 02:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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