2005年05月05日

サイドウェイ

side.jpg

タイトル:Sideways
製作  :2004
監督  :Alexander Payne
出演  :Paul Giamatti、Thomas Haden Church、Virginia Madsen、
      Sandra Oh

外見が先か中身が先か。
ポール・ジアマッティの姿を見るとそう思ってしまう。
あのずんぐりむっくりな体型。何を考えているか分からない目つき。
そして、あの髪の薄い頭。
パーフェクト!
役柄がそう思わすのか、地でそうなのか、
とてもひねくれ者で気難しい印象を与える。
ポール・ジアマッティに対してこのような印象を強くもったのは、
「アメリカン・スプレンダー」を観てからなのだが、
「サイドウェイ」を観てもこの印象は変わらなかった。
そこはかとなく漂うダメ感に、くらくらしながらも
惹きつけられるのは紛れもなくこの人の外見によるものだろう。


この作品は最近妻と別れた中年英語教師のマイルスが
長年の友人であり売れない俳優のジャックの結婚前祝いに
カリフォルニアへワインの旅へと連れ出すお話である。
ワインに関してはとてもうるさいマイルス。
女に関してはとてもうるさいジャック。
マイルスはジャックに旅の道中ワインのよさを説こうとするが、
ジャックはワインそっちのけで
独身最後の一週間をはめはずそうとしか考えてない。
マイルスの行きつけのバーの店員のヴァージニア・マドセン扮するマヤと
その友人であるサンドラ・オー扮するステファニーをナンパしたジャックは
マヤをマイルスに自分はステファニーと、といった感じで
ステファニーとの情事を楽しむのだが、マイルスはその性格が災いして
なかなかマヤに手を出さない。
この性格が対照的な中年男二人に独身女性二人を加えた四人は
中年期の恋愛、結婚、仕事、夢を熟成されたワインのように滋味深く
体現しているのだ。

40、50歳になったら人はどうなるのかと、20台半ばのわたしが
想像してみてもそうそう分かるものでもない。
もしかしたら歳を重ねても、人はそうそう変わるもんではないとしたら
それはそれで興味深い。
わたしは人間は歳をとれば成長するものだと勝手に思い込んでいるので、
このまま体力は落ちていき、上昇していくのは経験と年齢だけ、
となるのは少々悲しい。
しかし、マイルスはどうだ。
中年なのに少年の心をもっているぞ。(悪い意味で)
マイルスも面倒くさいやつだが、ジャックも相当面倒くさいやつだ。
そう考えると、マヤは随分と大人だよ。ステファニーはうーん・・・。
少年のような心を持った大人なんてろくなやつはいないと思う。
グロテスクだ。
でも、大半の人は自分の中のグロテスクな部分をオブラートを包んで
生活をしているわけで、それでやっていけるならそれでいい。
では、外見が先か中身が先か。
グロテスクな部分が外見に出ているマイルス(ちょっと言い過ぎかも)は、
確かにひねくれているが、中身は純粋だ。
爽やかでワイルドな外見をもつジャックは、
中身はグロテスクだ。(これも言い過ぎかも)
じゃあ、グロテスクって何よ?と聞かれたら、
純粋無垢なこと、と答えるだろう。善し悪し抜きのことである。
外見が先か中身が先か。
同時進行でじわりじわりと滲み出るのでどちらが先ということはない。
素敵なグロテスクを渋くみせる、この作品、そしてジアマッティ、
スキです。

(文化遺産)
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posted by つるっと温泉卵 at 19:02| Comment(0) | TrackBack(5) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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