2005年04月30日

ほえる犬は噛まない

ほえる.jpg
タイトル:Planduseui Gae(原題)
製作  :2000
監督  :ポン・ジュノ
出演  : ペ・ドゥナ、イ・ソンジェ、キム・ホジョン、ピョン・ヒボン

スットンキョウ。
この言葉がよく似合っているのはペ・ドゥナの顔であり、
この作品の雰囲気である。

物語はマンションに妊婦の奥さんと住んでいる大学の非常勤講師の
イ・ソンジェ扮するユンジュと、そのマンションの管理室で働いている
ペ・ドゥナ扮するヒョンナムの二人を中心に展開していく。
犬を飼うことを禁止しているマンションで、犬の鳴き声がする。
それに苛立つユンジュは犬を地下室に閉じ込めるのだが、
その犬は声帯手術をしていて吠えない犬だったことを知ったユンジュは
慌てて地下室に行くが、そこには犬を調理して鍋にしている警備員の姿が。
一方のヒョンナムはうだつのあがらない生活をしており、
文房具店の店員である友人のジャンミと下らないおしゃべりを毎日していた。

そんな二人が接点をもつのは、ユンジュが本当に吠えていた犬を見つけ出し
それをマンションの屋上から投げ捨てるところを、
ジャンミと共にヒョンナムは目撃してしまう。
そこからお互いが意識しえない接点を、手繰りつつ話は展開していく。

まずこの映画は展開の緩急がとても巧く、ぐーっとひきつけたと思ったら
ポーンって離すような、惹きつけ方をする。それがかっちりしているかと
いえば、そんなことはなくゆるめなので気楽に観ることができるのだ。
それにしても人にはそれぞれ嫌いな音があるかもしれないが、
犬の鳴き声ごときでイライラしてしまうのは、
犬のせいというより当人のフラストレーションの
たまり方が問題ありと思えるのだが、
犬を飼うことを禁止されているマンションで犬を飼うことを
全面肯定は出来ない。
ということは、暗黙の了解で飼うしかないわけで、
そういう社会のあり方が日本に近いと感じるのは私だけではないだろう。
そこがちょっとした毒っ気として機能しているところがまたよい。
それで、どいつもこいつもイマイチな感じがこの映画に親近感をもたせる
大きな要因であるのだが、イマイチであれど誰でも一度はがつーんと
打ち立てたいという心境を応援してくれるのは、
黄色いパーカーを着てドタバタと犬を助けるヒョンナムであり、
それを応援する黄色い一団だったりする。
(この一団は画面には映っているのだが、実際には存在はしていない)
このシーンがこの映画のスットンキョウさに拍車をかけ、
「大げさなぁ」とツッコミつつ、手に汗を握ってしまう。

で結局何なのよ、というとペ・ドゥナとイ・ソンジェの見た目が
この映画の全ての雰囲気を決めてしまっているのではないかと思う。
どこにでもいるまともだが、どこか抜けている愛すべき庶民。
ちっちゃいちっちゃい喜びと哀しみ。
つまるところ素っ頓狂、それがいいんです。
おっとそこのあなた、自分はまともとか思ってるかもしれないけど、
傍からみるとけっこう素っ頓狂よ。

(文化遺産)
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posted by つるっと温泉卵 at 13:56| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
きょうつるっと温泉卵の、犬っぽい警備されたみたい…
Posted by BlogPetの「リンリン」 at 2005年04月30日 15:23
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