2006年11月22日

LOFT

loft.jpg
タイトル:LOFT
製作  :2005 日本
監督  :黒沢清
出演  :中谷美紀、豊川悦司、西島秀俊、
      安達祐実、鈴木砂羽

おおげさであるのが特徴的な映画だ。
台詞、身振り。豊川悦史。
この映画の雰囲気、ひいては黒沢清の映画にはまっているのは幾度か黒沢映画の主演を務めた西島秀俊だけである。
だが西島とて普通の感覚ではない。
なにか血を抜かれた抜かれたような存在であり、淡々と人を襲うのである。

この映画は最初からボタンを掛け違えているのかもしれない。
それはキャストであり企画であり脚本が、最後まで魅力的なものにはならなかった(という個人的な感想でありながら誰もが何か違和感をもったであろう)状況が示しているように思う。
中谷美紀、ミイラ、黒沢清と聞いたら、どれだけ儚い映画が観れるのだろうかと、期待を膨らますのは当然のことだ。
その期待を裏切るのが「黒沢清である」と高をくくってみても、一抹の哀しさはぬぐえない。

こうして書いてみると、「奴はまた煙に撒いてきたか」と思われるかもしれないが、そのスクリーンに映る数々の画には貫禄と説得力がある。
だからそれだけで満足してしまうところもあるのだが、最近観返した『復讐 消えない傷跡』などを思うと、あの独特の時間の使い方を期待してしまうのだ。
もちろん『LOFT』も『ドッペルゲンガー』も後半から観ている者を振り切るようなスピードというのは見て取れたが、それがどうにもただただ出来事が積み重ねられてしまっているように感じられる。

でも本音を言うと黒沢清の映画を観れるだけでもうたまらんのです。
「動けるなら最初から動け!」と豊川悦史が言う台詞が、あまりにも明快なので言われたミイラも驚いただろうに。
これだけで十分満足なのです。

どうであれ、『LOFT』、再び観た時に価値観がぐるり180°回転して、儚いホラーを夢想するより目の前の脱力しきった喜劇を楽しんでしまうという可能性を大きく孕んでいることがなによりも恐ろしい。
(文化遺産)
posted by つるっと温泉卵 at 04:21| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by 日本インターネット映画大賞スタッフ at 2007年01月06日 20:33
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