2005年12月21日

そして、ひと粒のひかり

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タイトル:Maria Full of Grace
製作  :2004 USA / Colombia
監督  :Joshua Marston
出演  :Catalina Sandino Moreno,Virgina Ariza,Yenny Paola Vega,
      Rodrigo Sánchez Borhorquez,Charles Albert Patiño

コロンビアの苦しい現実を描くことに成功しているのだが、
この映画を撮っているのがアメリカ人監督というのがよろしい。
それは最後にマリアが選び取る行為が底辺を生み出す
アメリカの資本主義システムに乗っかることであるという状況と、
アメリカのインディー映画でアメリカ人の(おそらく高学歴であろう)監督が
このようなテーマの映画を撮るという行為、
つまり告発するのはいつだってシステムの上部にいる者である
という状況が重なって、この映画が現実の複雑さをより濃く滲ませ、
善意のジレンマを感じさせるところが良い。


しかし、私は映画としてそれほど面白みを感じなかった。
このような映画は実社会に対する告発的な意味合いを持っていると
思うのだが、ではそれを観て私たちはどうすれば良いのだろうか。
共感を促したいのか、それともやらない善意よりやる偽善というを
促したいのか。ここがよく分からない。
だって本当の問題ってマリアがアメリカに残る、
もしくはコロンビアに帰るというどちらの選択でも、
根本的な貧困からの脱出にはなっていないし、
もしアメリカに残るとしてもアメリカの中の低賃金労働者として
再び搾取されてしまう状況が待ち受けているということでしょ。
マリアはいずれにしろ貧困であるという選択肢しか
与えられていないわけで、それがなによりも恐ろしいことなのよね。
だからこそ、ご都合主義ではないファンタジックな映画的展開が欲しかった。
だって哀しすぎるじゃないこんな状況見せられてもさぁ。
なんか説教されてるみたい。良いんだけど面白くないそんな映画でした。

(文化遺産)
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posted by つるっと温泉卵 at 03:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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